検察庁法改正案の背景を知って正しく判断せよ

法律
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最近なにかと話題になっている検察庁法改正法案。
局所的に物事を見すぎだ。
全体像や背景をしっかり知って、正しく判断していきたい。

まず内閣、人まず事前知識として、今回の話の登場人物である内閣、人事院、検察、国会、裁判所についてザックリ説明したい。
つまんないと思うが、この後の話の理解UPのために、ここは少しガマンして聞いてほしい。

まず内閣、人事院、検察、国会、裁判所の事前知識の復習

内閣

国の政策を遂行するグループ(行政といったりする)のTOPに位置する。
具体的には、内閣総理大臣と〇〇大臣(経産省大臣とか厚労省大臣とか)を指す。
で、この配下に、〇〇省があり、そこに官僚が属している。

人事院

これは内閣や〇〇省とかを含む行政グループの人事部のような部門だ。

検察

これも行政グループの1つ。
検察は警察から上がってきたいろんな事件を、裁判所に起訴するか不起訴にするか決めている。
全部の事件を裁判すると仕事量が多すぎるので、この機能は国の機能として必要。つまり国の仕事を行う行政グループだ。
不起訴となると、裁判されないので、有罪にはなりえない。
有罪判決はできないが、裁判所の無罪判決と同等のパワーをもってるとも解釈できる。
かなり大きな権限だとは思う。

三権分立

中学校くらいで習うと思う。
先ほど話していた行政グループは、国会が決めたルールに基づいて仕事を行っている。(国会は国民投票でえらばれた国会議員の集団だ。この集団が新ルールやルール変更について議論する。内閣はルール提案できるが議論するのは国会だ。)
またルールに基づいているかは、裁判所が監視するというルールがある。
つまり、内閣をはじめとする行政は好き勝手できない仕組みになっているのだ。

内閣、国会、裁判所それぞれが、それぞれの力を抑制する権限をもっており、パワーバランスがとれた状態を三権分立という。

なので先ほどの検察の権限がつよすぎると思えば、国民から選ばれた国会議員が、現状の権限を定めている法律の変更について議論をもちかければよいという話だ。
行政はあくまでもルールに基づいて政治を行っているだけだ。

では早速本題に移ろう。
検察庁法案改正案の全体像をつかんでいく。
いま話題になっているTwitterだけでは全容は読み取れない。
時系列にみていこう。

検察庁法案改正案に至る経緯

事の流れはこうだ。
情報もとのリンクもはってるので、詳しく知りたい方はリンク参照してほしい。

時は2008年
国家公務員制度改革法で、公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げようという話がでたのが事の発端だ。
公務員制度改革法ってのは公務員がより機能的になるように制度を変えていきましょう!というものだ。
この中で、年金問題があるんで、定年を60歳→65歳にあげることを検討していこうという話があった。
https://www.gyoukaku.go.jp/siryou/koumuin/080613kihonhou_gaiyou.pdf

時は過ぎ、3年後の2011年
人事院は定年を65歳に段階的に上げることは賛成なので、実際に上げていこうという正式な申し出をおこなった。
https://www.jinji.go.jp/iken/23mousipoint.pdf

時はすぎ、2年後の2013年
内閣は、定年後の希望する場合の再雇用の対応を決定(これは現行の法律に反しなかった)
https://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/sankou/08.pdf

時は過ぎ、4年後の2017年
内閣は公務員の定年の引上げについて具体的に検討を進めることを決定
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2017/2017_basicpolicies_ja.pdf

時は過ぎ、翌年2018年
段階的に60から65に定年引上げる方向で検討することを内閣は決定
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2018/2018_basicpolicies_ja.pdf

その2か月くらい後
人事院は、国会と内閣に対して意見の申出を行った。
内容は「公務員も若手人口が少なくなってきて、60歳を超える職員の能力を生かすために定年の延長が必要です」
もはや年金の話が、どっか行ってしまっている。。。
https://www.jinji.go.jp/iken/30mousidepoint.pdf

そして2020年
内閣が、国家公務員の定年に関するルールが書いてある複数の法律、これらをまとめて変更する案を国会に出した。「国家公務員法等の一部を改正する法律案」という名前だ。
http://www.cas.go.jp/jp/houan/200313/siryou1.pdf

この複数の法律のなかに、公務員である検察官に関するルールである検察庁法も含まれている。
これが検察庁法改正案と呼ばれている理由だ。
「国家公務員法等の一部を改正する法律案」の4条に記載がある。文章量が多すぎるので、私にはとてもじゃないが読み切れない。
https://www.cas.go.jp/jp/houan/200313/siryou3.pdf

ちなみな、もともとの検察庁法はこれだ。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000061

そして、国会でこの法律変更に関して議論しようとしたところ、大荒れした。
もうすでに、気になるところが多すぎますが、話をすすめます。

検察庁法改正案で国会や世の中がなぜ荒れたか?

荒れている議論は例えばどんなものかというと、

  • 定年引上げの対象が検察官を含んでいる
  • 単なる定年引き上げだけでなく、内閣が認めれば定年延長もOKという記載がある
  • つまり内閣が検察をコントロールできてしまうではないか!
  • 三権分立はどこ行った!

検察庁法改正案に対する個人的感想

なかなかおかしいと感じることがたくさんあります。

定年引上げの対象が検察官を含んでいる

検察官も国家公務員なので、定年引上げの対象に含まれていいと思う。
検察官にとっても、〇〇省の官僚にとっても、労働問題とか年金問題は同じだと思う。

単なる定年引き上げだけでなく、内閣が認めれば定年延長もOKという記載がある

これに関しては、普通だと思う。
段階的に上げる以上、実際に起こった問題に法律が間に合わない事態を想定して、特例を盛り込むのは理解できる。
(一方で悪用のリスクはあるのは確かだ。)

つまり内閣が検察をコントロールできてしまうではないか!

コントロールできるのは定年だけで、業務をコントロールできるわけではない。
そんな定年命みたいな検察はいないのではなかろうか。

三権分立はどこ行った!

検察は内閣の機能の一つなので、三権分立の維持とは関係がない。
三権分立という話でいうと、内閣の行動を制御するのは、国会と裁判所だ。検察ではない。

むしろ、
内閣が提出した法改正案に対して、国会が議論したり、国民が興味をもったりして、
三権分立はうまく機能しているといってよい。

確かにこの法案がスッと国会でパスしちゃうといけない。
メリットデメリットがしっかりと議論されている。
なにも法律が変わってしまったわけではない。

そもそも「はやく定年上げてはどうか」というのが私の感想だ。こんな時間かかってしまっているのに。政治って大変だな。大企業の政治よりもずっとそう思う。

参考文献

国家公務員法等の一部を改正する法律案
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g20109052.htm
http://www.cas.go.jp/jp/houan/200313/siryou1.pdf

検察庁法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000061

人事院の意見の申出
https://www.jinji.go.jp/iken/30mousidehonbun.pdf
https://www.jinji.go.jp/iken/23mousipoint.pdf

経済財政運営と改革の基本方針
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2017/2017_basicpolicies_ja.pdf
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2018/2018_basicpolicies_ja.pdf

国家公務員の雇用と年金の接続について
https://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/sankou/08.pdf

政府組織図
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/satei_01_05_3.pdf

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