
youtubeで米国株式インデックスファンドがイイってきいたから、毎月5万円積み立てようと思うんだー

資産運用、すばらしいですね
youtube見て何も考えずに米国株式インデックスファンドに決めてしまうのか?

すごい頭のいい投資家でも将来の予測は不可能だから機械的に投資対象を分散してくれるインデックスファンドが良くて、
特にアメリカは経済がとても伸びているから、アメリカのインデックスファンド、つまりS&P500に連動する投資信託がいいってyoutube聞いたよ!

なるほど、半分あっているが、半分は正解とは言えないな。

え、何が間違っているの?

「すごい頭のいい投資家でも将来の予測は不可能だから機械的に投資対象を分散してくれるインデックスファンドが良くて」これはあっていますね。

その通りで、ここ最近値上がりの大きいS&P500インデックスにアクティブファンドが及ばないだけでなく、日本株式でも新興国株式でもインデックスファンドのほうが成績が良いです。
https://www.spglobal.com/spdji/en/documents/spiva/spiva-japan-year-end-2016.pd

しかし「特にアメリカは経済がとても伸びているから、アメリカのインデックスファンド、つまりS&P500に連動する投資信託がいい」
これはいかがなものでしょうか?

これについて議論するためにまずはS&P500連動インデックスファンドについて詳しく見ていきましょう。
S&P500連動型インデックスファンドをちゃんと理解しているか?配当について、為替について。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)というファンドを例に出します。
これは目論見書にも記載にあるようにS&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざして運用を行います。
https://emaxis.jp/pdf/koumokuromi/253266/253266_20200125.pdf

S&P500指数っていったい何になの?

て、てめぇ、S&P500しらずに、ぶっこもうとしたのか

超ザックリ説明すると、
まずアメリカの証券取引所に上場している、時価総額が高く、株式が良く売買され、財務状況のいい会社で、業界がうまくバランスされるように500社を選択する。
その500社の現在の時価総額を全部足す。
※実際は浮動株指数を織り込んでいる。
https://manabow.com/qa/fudoukabu.html

同様に1941年時点の成績でも500社選び、時価総額を全部足す。
1942年、1943年も算出する。
1941年から1943年の平均時価総額計を10としたら、現在の時価総額計はいくらであるか?
これがS&P500指数だ。本日時点で3000をうわまわっている。
https://japanese.spindices.com/documents/commentary/japan-hand-book.pdf

へぇー、つまりアメリカの企業価値がどれくらい成長しているかがわかる数値ってことですね。

そうです。
S&P500指数に連動する投資というのは、アメリカTOP500企業の株に投資している。そして、投資額を時価総額の割合で振り分けている。これによって、投資成績がS&P500指数に連動するようにしているんです。

なるほど、アメリカのTOP500の株式セットみたいなイメージだね。
インデックスファンドの「配当込み」の意味

あとS&P500指数(配当込み、円換算ベース)の「配当込み」って何なの?

目の付け所がいいな。
株式をもっていると配当金が得られる場合がある。
S&P500指数に連動するインデックスファンドの運用会社は、アメリカTOP500の株式を持っているので、配当金が得られる。
この配当金を、アメリカTOP500の株式にさらに投資した場合、投資成績はS&P500指数よりも少しよくなるよね。
これが「配当込み」のS&P500指数に連動する投資ということです。
https://www.motleyfool.co.jp/archives/7279

なので、「配当込み」のS&P500指数に連動する投資は配当金は得られないのが普通じゃ。
インデックスファンドの為替ヘッジのワナ

じゃあ、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)の「円換算ベース」って何なの?

&P500指数はアメリカTOP500の時価総額の合計を昔と比較したものといったが、時価総額はドルで表現されている。

このドルを円に換算しているのじゃ。
1941年から1943年の平均時価総額計を10としたら、現在の時価総額計はいくらであるか?これはドルの価値の変動と円の価値の変動が異なるから、指数も変わる。
同じアメリカTOP500の株を同じように買っても、ドルで指数をみるか、円で指数をみるかという違いがあるのじゃ。

参考:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/nikko_asset_etf_usmarket/

なるほど!
為替リスクって聞いたことがあるけどそれのことですね。

そうじゃ。

やはり、外国の株式を買うことはリスクがあるんですか?

どこの国の株式を買うかと為替リスクは関係がないのじゃ。

え、どういうことですか?

どの通貨で指標を見ようが、買っているものは同じということがポイントじゃ。
インデックスファンドを通じて企業の株を買うが最終的に現金にもどすよね。
その戻すときに、ドルに戻すか?円に戻すか?これが違いじゃ。

円に戻したときの指数を表現しているのが円換算指数。
つまり、円も価値の変動があるから、為替リスクは存在する。
だから「円換算ベース」というのはあまり気にしなくてもよい。
むしろ、見ているチャートは円換算か、ドル換算かをしっかり意識してチャートを比較することが大事じゃ。

たまにドル換算のS&P500と円換算のTOPIXを比較してたりするグラフがあるが、これはドル円相場の変動を無視した比較になってしまっている。

そうなんだ!じゃあ、わざわざ手数料を払って為替ヘッジはしないほうがいいね。

そうではない。

円に換金したときに円高で、もらえる円が少なくなってしまうことを防ぐのが為替ヘッジだ。為替ヘッジをしないと、その分もらえる円が少なくなる。
だが、これは損しているのではない。円の価値が上がっているから少ないだけだ。
つまり、為替ヘッジを行うと得する可能性があるということじゃ。

なるほど!リスクヘッジという言葉でややこしくなっているね。

そうじゃ。為替リスクにとらわれることなく、何の株式を購入しているか?そこに焦点を当てたほうがよいということじゃ。
はたしてインデックスファンドは米国S&P500連動型がベストか?

ちょっとS&P500の説明に時間がかかってしまったな。
そろそろ本題の「インデックスファンドはS&P500連動型がベストか?」に入っていきたい。

ところで、なぜ個別株を買ったり、アクティブファンドじゃなく、インデックスファンドがよいと思うんじゃ?

結局、どこの会社の株価が上がるか分からないから、長期的に資産運用するなら分散投資。で手数料の安いインデックスファンドがいいという理由です!

すばらしい。まさにその通りだと思う。
では、なぜアメリカのインデックスファンドが良いと思うんじゃ?

あ!ああああああああああ!

どうした?

そうか、アメリカが今後も成長していくかどうか分からない!ということですね。

そうじゃ。よく気付いたな。
S&P500はアメリカの企業の時価総額の成長指数だ。
時価総額は、現在予想される未来の企業利益の合計を反映している。つまり今予想されている未来の利益を上回ったら、S&P500は今後も上がっていく。

「これくらい企業は儲けるだろうなー」と昔に思われていたより大きな利益をあげた企業がアメリカにたくさんあった。だからS&P500は上がってきた。

アメリカの企業はは今後も利益を出していくだろう。しかしS&P500が上がるには、その予想利益を上回る必要があるのだ。
大事なのは優良企業が多いことではない。優良企業が予想を上回っていくか?これが大事なんじゃ。

しかし、こんなこと誰にも分からない。
いままではGoogleとかAmazonとかが、信じられないくらい成長してきた。だからS&P500もあがった。
しかし今後はどうだろうか?
同じような企業が中国やインドに現れたら、その国の経済指標に連動するインデックスファンドのほうが利益が大きくなるのじゃ。

個別株ではなくインデックスファンドにしたのと同様、米国株インデックスファンドより全世界インデックスファンドのほうが、この観点でメリットがあるのは確かじゃ。

でも、バフェットは奥さんに「資金の90%をS&P500に投資せよ」っていったらしいよ?

その言葉がホントかウソかしらないが、仮に本当だとしよう。バフェットの奥さんはバフェットの死後何年生きるだろうか?10年くらいだろうか?
10年であれば、まだ今の経済状況は大きな変化は少ないかもしれませんね。

でもあなたは、今後何年の資産運用を考えていますか?それに応じて考えたほうがよいと思いますよ。

なるほど、確かにそうですね。

とはいえ、米国株インデックスが好まれる理由はある。米国はチャレンジの文化があったり、法整備が整っていたりする。だから予想を上回る企業が生まれやすい。
中国の勢いはどのようにとらえるべきか?

しかし、中国の深センも同じように土壌が整いつつある。
実際に行ったことはないが、いますさまじい成長を遂げており、自動運転、電子決済、ドローンなど当たり前になってきているようだ。今後の覇権国は中国かもしれない。

さらに、一帯一路構想という中国が推進する巨大経済圏構想が進めばアジア圏の飛躍が期待できるかもしれない。

参考:https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji22/
1900年はイギリスだったし、1990年は日本が栄えた

しかしもちろん、分からない。
1900年はイギリスだったし、1990年は日本が当たった。

参考:https://manetatsu.com/2019/08/200998/

どうように今後どの国が大きく躍進するか分からない。
だからこそ「特にアメリカは経済がとても伸びているから、アメリカのインデックスファンド、つまりS&P500に連動する投資信託がいい」とは言い切れないのじゃ。

そうなんだね。
アメリカの成長を考慮しつつ、中国の一帯一路構想の国々も加味したインデックス指数がある

ちなみに私はアメリカの継続成長を考慮しつつ、中国と中国の勢いに連動する一帯一路構想上の国々も加味した、MSCI All Country World Indexに連動するインデックスファンドに積み立て投資している。
https://www.msci.com/acwi

参考:https://emaxis.jp/pdf/koumokuromi/253425/253425_20200125.pdf

絶対これが当たるというわけではなく、適度に国分散しつつ、自分がそうなるんじゃないかなーと思う予想に一番マッチしている指標だからだ。

自分で世界のこと調べてみてそれによってどのインデックスに連動させるかを考えるのがよいんですね!

そうじゃ。ではがんばれ。
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