昨今、日本の借金について議論されることが多いですが、日本銀行券や国債の発行原理から、日本が借金大国だが大丈夫な理由を素人目線で超絶わかりやすく説明します。
日本の負債額、1200兆円

日本は借金多いって聞いたことあるよ

そうじゃな。具体的には平成30年度末で借金は約1200兆円だな。

参考:https://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2020/saimu2020-3-ho.pdf

大丈夫なの?

まったく問題ない。大丈夫じゃ。

なんで大丈夫なの?ギリシャとかみたいに国が破綻してしまうんじゃないの?

えーっとまず、君のいっておる「破綻」の定義がよく分からないんだが、ギリシャに旅行に行ってみてごらん。
とくに何でもなく、普通だよ。

え、そうなの?

そうじゃ。別に国は多額の借金を抱えていても、国民がめちゃくちゃになってしまうわけではない。
国のデフォルトは、なにも国が崩壊するわけじゃない

ではまず、デフォルトについて説明していこう。
ギリシャはIMFという国際機関に15億ユーロ借りていたが、返済期限である2015/6/30日を過ぎても返済しなかった。
https://www.asagaku.com/shougaku/kotoba/3784.html
これをデフォルトと呼んでいるだけじゃ。
国が破綻しているわけではない。

現在デフォルトと呼ばれるケースは、
国が誰かにお金を借りているが期限通り返せなかったケースじゃ。

2020年にもデフォルトは起こっていて、レバノンは国債12億ドルの返済延期を発表した。
https://www.meij.or.jp/kawara/2019_192.html
借金は返せるが、あえてデフォルトを選ぶという選択肢

なんか本で読んだことあるよ。
外国の通貨で借金していたら、お金がなくなったら返せないけど、自国通貨の借金だったら、自国で自由に発行できるから、大丈夫なんだよね。

半分あっておるが、半分間違っておるな。
外国の通貨で借金していても、返すことはできる。
例えば日本がアメリカから100兆ドル借りているとする。
日本はドルを発行できないが、日本円を発行してドルに両替して返せばよいだけじゃ。

え!じゃあ、なんでデフォルトなんて起こるの?

目の付け所がよいな。
実は、あえてデフォルトを選択しているのだ。

えーーーー!

ではちょっと話はそれるんだが、お金について少し説明しよう。
大事なことじゃ。すこし聞いてほしい。
銀行の通帳残高は、銀行が君から借りているという借用書

まず、お金は借用書なんじゃ。

うーんと、ドウイウコト?

君は、お金をもっているね。
具体的には、一万円札だったり千円札だったり百円玉だったり、国債だったり、みずほ銀行残高だったり、どこかの企業の株式だったり、友達に貸しているお金だったりするよね。

うん。

これらはすべて借用書なんじゃ。
一万円札や千円札は、日本銀行が君から借りているという借用書。
百円玉や国際は、政府が君から借りているという借用書。
みずほ銀行通帳残高は、みずほ銀行が君から借りているという借用書。
株式は、その会社が君から借りているという借用書。
友達に貸しているお金は、友達が君から借りているという借用書。

もしドル札をもっていれば、それはアメリカ政府が君から借りているという借用書じゃ。

ふむふむ。
人々は借用書を交換しまくっている。ただし君の借用書は紙切れ同然

で、これらの借用書は交換可能じゃ。
ATMでお金を引き出すという行為は、みずほ銀行の借用書と日本銀行の借用書を交換しているのじゃ。

おーなるほど。

ただ、交換が難しいケースがある。
たとえば、私が君に10000円貸したとする。その代わりに君はキレイな紙に10000円と書いてハンコを押してそれを借用書として私に渡したとする。


数か月後、私はその借用書を君の所にもっていって、10000円と交換してくれるのが普通じゃ。

しかし、その借用書を君じゃなく、近所のラーメン屋に持って行ったとしよう。
その借用書でラーメンは食えるか?

たぶん、食えないね。

そうじゃのぅ。
つまり同じ金額の借用書でも、誰が発行した借用書であるかが交換力を決めるんじゃ。

交換力が弱いと交換してもらえないかもしれない。
交換できたとしてもより大きな額を求められるかもしれない。

信頼できる発行者が発行していて、より流通している借用書が一番価値が高いんじゃ。

なるほど、これが通貨の交換レートにかかわったりしているんだね!

そうじゃ。理解が速いのぅ。
ムリして自国通貨で金返すよりもデフォルトしたほうがマシ

では話を戻そう。
なぜ、自国通貨を発行せず、デフォルトを選ぶのか?じゃな。

うーん。まだよくわからないなぁ。。

国同士の貸し借りだからイメージがわきにくいだけじゃ。

例えば君と私で想像してみよう。
君は私に借金10000円があり、返済期限が迫っているとする。
君は1万円札は発行できない。お金ももうない。
だから君は自分で発行した借用書(10000円と記載)を準備する。
これはできるよね。紙にボールペンで書くだけだから。

準備した借用書を両替所に持って行った。
そこで「これを1万円に変換してくれ」とお願いした。
当然断られる。
借用書に2万円と記載した。
それでも断られる。
10万円と記載した。
それでも断られる。

そりゃそうでしょ。

両替所ではなく、同じ会社の同僚にお願いしてみた。
「10万円と記載した借用書」で1万円札に替えてくれないか?と。
同僚は替えてくれた。
君は1万円札をゲットし、私に返した。
しかし君は、会社の同僚に10万円を返さないといけない。

全然ダメじゃん。ピンチ増大してんじゃん。

そうじゃ。だからデフォルトを選ぶんじゃ。

なるほど!
うーんでも、なんかスッキリしない。
日本の借金がめっちゃあるんだよね。。

その気持ちはよくわかる。
ただ、その原因は、君の発行できる借用書の価値が低いからなんじゃ。
日本は借金しているが、返す必要に迫られない理由

例えば、君の借用書は日本銀行の発行する借用書、つまりお札くらい価値のあるものだとしたらどうじゃ。

借用書を持っている会社の同僚は、それをラーメン屋で使うこともできるし、コンビニでおにぎりを買うこともできる。

一方で、君の発行できる借用書の価値が低くて、どこに行っても使えない借用書だったら当然君に「お金返せ」と言い寄られる。

確かに確かに。

日本はどうじゃ?

日本の発行する国債は、証券会社とかで換金できる!

そうじゃ。国債は価値が高いから日本に対して「金返せ」とはならんのじゃ。
追求すべきは、お金の価値

つまり日本は借金が多いが、日本円の価値を維持することができれば問題が発生しないんじゃ。
日本は国債の価値を高く維持し、日本銀行は日本銀行券の価値を高く維持することが必要なんじゃ。

おお!そうなんですね!
どうやったら価値を高く維持できるんですか?

そう。それが政府の仕事なんじゃ。
ちなみに日本銀行のトップの任命責任は内閣が任命するから日本銀行券の価値の維持も政府の仕事とも言える。

例えば、金利を上げ下げしたり、国債や日本銀行券の流通量を増やしたり減らしたりすることで価値をコントロールできる。
(これを説明している本やWEBサイトはたくさんあるから勝手に読めぃ)

だからこそ、政府は自国通貨を発行してばっかりじゃだめで、国民から税金を徴収することもバランスをとるために必要なんじゃ。

なるほどそういうことかぁ。
通貨発行、国債発行、税金、金利のバランスが大事なんだね。

そうじゃ。そういうことじゃ。
借金がいくらであるかということではなく、私たちが持っている日本銀行券や国債の価値を守るのが政府の仕事なんじゃ。
そして今のところそれはしっかり守られておる。
だからこそ、やみくもにあーだこーだいうのはよくない。

オッケー、今日もありがとう!
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