本当は怖いSNSに関連する民法と刑法

法律
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最近SNSによる誹謗中傷に関してメディアで議論されることが多い。
そしてこれは他人事ではなく、私たちも気を付けないとうっかりと過ちを犯してしまう危険性がはらんでいる。

実際の法律を見れば、いかに我々が犯罪と隣り合わせであるかがわかると思う。
順に見ていこう。

うっかりミスだとしても、他人の権利や利益を侵害すると損害賠償

(不法行為による損害賠償)
第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第709条

これは民法の条文だ。
分かりやすく言い換えるとこうだ。
うっかりミスだとしても、他人の権利や利益を侵害すると損害賠償。
どう考えても回避不可能なミスだと認められれば損害賠償なしです。

例えば、SNSであるお店の悪口を言って、その悪口を理由としてお店の客足が減った場合、お店から投稿者に対して損害賠償を請求される可能性があるということです。

金銭面の損害だけでなく、精神的損害も賠償しなければならない

(財産以外の損害の賠償)
第710条
他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第710条

分かりやすく言い換えるとこうだ。
権利や利益だけでなく、身体、自由、名誉を侵害しても損害賠償。
金銭面の損害だけでなく、精神的損害も賠償しなければならない。

例えば、SNSで友達の悪口をいって、その友達が精神的ダメージを受けた場合、その慰謝料を求められる可能性があるということです。

複数人のうちだれが損害を与えたか分からない場合も、全員に対して損害賠償

(共同不法行為者の責任)
第719条
数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。

https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第719条

分かりやすく言い換えるとこうだ。
複数で他人に損害を与えた場合、全員に対して損害賠償。
複数人のうちだれが損害を与えたか分からない場合も、全員に対して損害賠償。
損害を与えた人をおだてたり、助けたりした場合、その人も損害賠償。

例えば、SNSでリツイートで炎上した場合、最初のツイートした人だけでなく、リツイートした人も損害賠償を請求される可能性があるということです。

公の場で、人の名誉を傷つけると、それが本当のことでもウソでもアウト

(名誉毀損)
第230条
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

https://ja.wikibooks.org/wiki/刑法第230条

(侮辱)
第231条
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

https://ja.wikibooks.org/wiki/刑法第231条

分かりやすく言い換えるとこうだ。
公の場で、人の名誉を傷つけると、それが本当のことでもウソでもアウト。

例えばSNSでウソではなく本当のことを発信しても、相手が傷つけばアウトということです。

公共の利益に関することで、且つ、公共の利益を求めるためで、且つ、本当のことであると認められれば名誉毀損にならない

ただし、先ほどの名誉毀損には次のような特例があります。

(名誉毀損)
第230条
死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

https://ja.wikibooks.org/wiki/刑法第230条

(公共の利害に関する場合の特例)
第230条の2
前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
前条第1項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

https://ja.wikibooks.org/wiki/刑法第230条の2

分かりやすく言い換えるとこうだ。
傷つけた相手が死んでいるひとで、且つ本当のことと認められればセーフ。
公共の利益に関することで、且つ公共の利益を求めるためで、且つ本当のことであると認められればセーフ。
例えば犯罪行為にや、政治家に関する本当のことであると認められればセーフ。

例えば、SNSで犯罪や政治家に関する本当のことを発言する場合はセーフ。噂や勝手な思い込みで本当であることを証明できなければアウト。

実際のところ

実際のところは、損害を受けた人が訴えをおこして初めて法を犯しているかどうかの議論が行われる。
だから、あなたがSNSで他人を傷つけても損害賠償とならないのは、相手が訴えていないからだけなのである。

このような法律があるということを十分理解して、今後のSNSライフを楽しんでほしいと思う。

参考文献

https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第709条
https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第710条
https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第719条
https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第723条
https://ja.wikibooks.org/wiki/刑法第230条
https://ja.wikibooks.org/wiki/刑法第230条の2
https://ja.wikibooks.org/wiki/刑法第231条

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